ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あのね・・・・・・片桐さんが、今からデートっぽいの」
「な~んだ。そんなこと?いつものことじゃん。あんなにかっこよくて頭も良くて仕事もできるんだから、モテるに決まってる。デートくらいで落ち込んでんの?」
返す言葉がない。
確かにそうだ。
かっこよくて、頭も良い。
みんなのリーダー的存在で、カリスマ性もある。
男性からも女性からも好かれる。
嫌味がなくて、爽やかで、面白くて、優しくて。
完璧すぎるもん。
私とは大違い・・・・・・
「だからぁ~!何、また落ち込んでんの?デートくらいするって。優が今できるのは、片桐さんにとって“かけがえのない存在”になることだろ!」
高校生のあきら君は、私よりもずっと大人だった。
今、私にできること。
女として見てもらえていない状況なんだから、ジタバタしたって仕方がないんだ。