ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「俺が詳しく聞いてきてやろうか?」
「正直に教えてね」
ニヤリと笑ったあきら君は、お酒を持って片桐さんの席へ向かった。
数人のお客さんがいたけどみんな静かだから、声が聞こえてしまう。
「取引先の会社の受付嬢なんだよ。超美人でさ」
やっぱりそうだったんだ。
片桐さん、その人を狙ってるんだ。
そんな嬉しそうな声出さないで。
「今日が初めての食事なんだよ。なんか緊張しちゃって」
緊張するんだ。
片桐さんでも。
綺麗な人なんだろうな。
仕事もできて、頭も良くて、スタイルも良いんだろうな。
私なんか勝てるわけないね。
あきら君にさっき言われたばかりなのに、また落ち込んでしまう。
「片桐さんならすぐOKですよ」
「ま、俺もそう思うけどな。ははは」