ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「聞こえただろうけど、そういうこと」
戻ってきたあきら君は、私を心配そうに見た。
「うん。わかった」
「きっと、お持ち帰りすると俺は思う」
「お持ち帰りって何を?」
呆れたような表情になったあきら君はため息交じりに言う。
「彼女を・・・・・・だよ。一晩過ごすってこと。やっぱり優は天然バカ処女だな」
「・・・・・・その通りだよ」
言い返すこともできなかった。
初めてのデートでいきなり一晩一緒に過ごすの?
エッチ・・・・・・をするってこと?
そういうものなの?
知り合って、お互いをよく知って、付き合ってからするものじゃないの?
「また落ち込んでんの?まさか、優って結婚するまでエッチしないなんて思ってる?」
「悪い?」
結婚するまでとは思ってないけど・・・・・・
でも、それくらいの覚悟がいることだと思ってる。
「そういう女が日本にひとりくらいいてもいいとは思うけど」
あきら君はそう言って、私の肩をトントンと叩いた。
こうして男性に触れられることすら慣れていない。