ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「彼氏がいんのにそういうことする女ってのは、俺と付き合ってもいつか裏切るんだよ」
片桐さんは天井を見上げながらゆっくりとそう言った。
裏切られた過去でもあるのかと思ってしまう。
「でも、ホテル行ったんでしょ?」
あきら君、余計なこと聞かないで・・・・・・
そこは触れないで欲しかった。
「そりゃ、ま~な。もう二度としねーけど」
涙は出ないけど、ものすごくショックだった。
片桐さんは、誰とでもそういうことができるの?
世の中の男性は、みんなそうなの?
愛がなくてもキスしたりできちゃうんだ・・・・・・
「じゃあ、しばらくは彼女いない生活なんですね」
「俺が?ふふ。どうかな」
きっと、彼女候補はたくさんいる。
片桐さんに片思いしている女の人はいっぱいいっぱいいる。
大学生の頃からそうだった。
私だけの片桐さんだって思っていたのに、そうじゃなかった。
店を出た片桐さんは、私の知らない片桐さんで。
店の前で女の人が泣いていたこともあった。
片桐さんの友達から聞いた話では、大学以外でも片桐さんを狙っている人はたくさんいたらしい。