ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「それはないと思うんだけどなぁ。私に好きな人がいることも知ってるし」
「え?そうなんですか?」
美琴ちゃんは目をパチクリさせて驚いた。
あきら君、片桐さんのこと誰にも言ってないんだぁ。
「だから、私とあきら君はそういうの絶対ないの。で、美琴ちゃんはどうなの?」
話題を変えようと、美琴ちゃんに質問したのに、またあきら君の話になる。
「あきらがね、コンパしろとかうるさいんですよ~」
「美琴ちゃんって、もしかして・・・・・・あきらのこと好きとか?」
美琴ちゃんは両手を顔の前でパタパタと動かして、首をブンブンと横に振った。
「そ、んな!!そんなわけないですよ」
ほほ~、そうか。
そういうことか。
美琴ちゃんはあきら君のことが好きなんだ。
まるわかりだよ。
その真っ赤な顔と嬉しそうな口元。
「あきら君、美琴ちゃんがバイトに面接来たとき、かわいいかわいいって言ってたよ」
「本当ですか!」
美琴ちゃんは、あきら君のことが好きだと認めた。
協力してくださいねと言われたけど、何をどう協力していいのかわからない。
昔から、恋の協力って苦手なんだよね。