ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





「これ、めちゃめちゃ美味しいですよ。メニューに入れたらどうですか?」



アイスコーヒーのコーヒーゼリー入れ。



お客さんのこの一言で、翌日からメニューに加わった。



“ゼリーが泳ぐアイスコーヒー”というダサいネーミングで。








「お久しぶりです~!」




昨日あきら君が言っていた“片桐さん”という人が現れた。




「優海ちゃん、久しぶり。元気かー!」





私のおだんご頭をガシっと掴んで、ユサユサと揺らす。





「や、やめてください!仕事中ですから」




「何、真面目ぶってんの?」




お得意の色目で・・・・・・

私を見つめないでください。






「久しぶりに来たんだから、一緒にお茶でもしない?」



「今、仕事中だから」





その会話を聞いていたお父さんが


「10分休憩していいよ」と言う。






ありがたいけど・・・・・・あきら君がニヤニヤしながらこっちを見ているのが気になってしょうがない。






「メニューまた増えたの?しばらく来てない間に2つも増えてんじゃん」






片桐さんは、新メニューのゼリーが泳ぐアイスコーヒーと、ハニートーストいちごアイス乗せを注文した。




私はいつものカフェラテ。







< 5 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop