ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






「やっぱり?そうだよね。あきら君に、そんなこと聞くなんて絶対自意識過剰だよね?バカだよね」




「・・・・・・じゃなくて!!!!あんた、本当に天然鈍感女だね」





あきら君を思い出してしまう口調で。





「どうせ私は天然鈍感バカな処女です・・・・・・」





「いやいや、処女は別にいいんだけど。あんたさぁ・・・・・・本気で気付いてないの?」






片桐さんの真似をしてジーマを飲む私。



絞ったレモンを手に持ったまま、康子を見た。






「何が?」




「あきらは、あんたのことが好きなんじゃないの?」






レモンが床に落ちた。




レモン汁でべちゃべちゃになった指先をなめる。





「すっぱい」




「バカ!!ほんとにバカ!!優海、しっかりしなさい」





頭の中が真っ白になった。



美琴ちゃんに言われたことを、康子にも言われた。






まさか、そんなことありえない。




と、ずっと思っていたけど、もしかして・・・・・・そうなの?





だとしたら・・・・・・


私って最低だよね。





あきら君に、片桐さんの話ばっかりして、家にまで一緒に行ってもらって。




その上、“私のこと好きじゃないよね”なんて発言をしてしまった。






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