ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
突然のデート
-突然のデート-
「あの~、あきらさん・・・・・・お話できますか?」
バイトの制服に着替えるあきら君の背後から声をかけた。
「お前、誰?」
冷たい声でそう言われた。
「私・・・・・・天然バカ処女の優海です」
「知らねーな」
こうなってみて、改めてあきら君が大事な存在なんだと気付く。
でも、それはやっぱり恋じゃない。
それだけは確か。
「反省してるんです。許してください」
低姿勢で謝り続ける。
「あきら君、本当にごめんなさい。もう、ガキだとか生意気だとか言いません」
背中をツンツンしてみる。
「あ~!!もう!!うっとうしい!!」
やっと振り向いてくれた。
振り向いたあきら君はいつもの顔で言う。
「お前がそんな態度だと気持ち悪いんだよ!バカ!」
いつも通りで良かった。
戻れる?
今までの関係に。
でも、このまま何もなかったように過ごすことはできない。
ちゃんと、話すべきなのかな。
と
思っていると、あきら君の方から言ってくれた。
「今日、帰り時間ある?話あるから」
話・・・・・・か。
康子のせいで、変な想像しちゃうじゃない。
“実は俺ずっと優のこと好きだったんだ”とか言われちゃったり??
まさか・・・・・・ね。
ないない!!
片桐さんしか見えていない私のことを好きになるわけないよ。