ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「優海、会いたかったよぉ」
甘えた声を出して、目を細める片桐さん。
「え、どうしたの?」
「いや、今日は・・・・・・疲れてんだよ。疲れて疲れて・・・・・・甘いものが食いたくなったから来た」
片桐さんはメニューを開く前に、ハニートーストを注文した。
「マスター、今日優海ちゃん借りてもいいっすか?」
店の裏に入ろうとした私の耳に片桐さんの声が届く。
その声はもちろんあきら君にも届いていて・・・・・・
「いくらでも貸すよ」
とお父さんが答える。
「この後、俺と飲みに行ってもいいっすか?」
とお父さんに言う。
お父さんは、もちろんいいよと言って、嬉しそうに私を見た。
「優海、あと30分で上がっていいから」
お父さんの優しさは嬉しいけど・・・・・・
今日はあきら君と約束があるんだよ。
あきら君・・・・・・どうしよう。