ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「良かったじゃん。念願のデートの誘いだろ」
あきら君は、ハニートーストに視線を落としたまま言った。
「でも、今日はあきら君と話が・・・・・・」
「そんなのいつだってできんだから、いいんだよ!!バカだな!俺に気使ってどうすんだよ!」
優しい。
優しすぎる。
あきら君は、ハニートーストを私に渡す。
「片桐さんにOKの返事してこい」
あきら君はにっこり笑って、私の目を見た。
その目は本当に優しくて、私のことを全部わかってくれているような目で・・・・・・
「ありがとう。ごめんね。本当に・・・・・・!!」
私は片桐さんにハニートーストとコーヒーを持って行く。
「聞こえてた?この後、俺に付き合ってくれる?」
今日の片桐さんの声はいつもより元気がない。
だから、ちょっと甘えた感じでそれもまたいい。
「うん。大丈夫?」
「大丈夫じゃねーから、優海に助けてもらおうかなと思ったんだよ」
私に何ができるだろう。
片桐さんの話を聞くくらいしかできない。
「この前俺が会社でミスした時、元気もらったから。お前に話聞いてもらって、楽になったんだよ」
「本当に?」
「飲みに行く約束してただろ?今日、行こうか」