ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
・・・・・・こうして
突然、片桐さんとの初デートがやってきた。
「突然過ぎるよ。今日変な服なのに」
「相手は俺だよ?別にいいじゃん。それに、変な服じゃないと思うけど」
相手が片桐さんだから、オシャレしたかったんだよ。
ふたりきりで飲みに行くなんて、初めてだもん。
「私服の優海って新鮮だな。俺の中ではセーラー服のイメージだもん」
そうだよね。
片桐さんは今でも中学生の私を見ている。
「どうせ私は中学生のガキのままだもん」
「そういう意味じゃなくて・・・・・・お前は、あの頃のまま、純粋さをちゃんと持ってるんだよ。汚れてないっつーか。俺はそういうのいいな~って思うよ」
照れ臭くて、返事ができなかった。
片桐さんの中では、私って純粋なんだ。
純粋・・・・・・ってどういうことなんだろう。
まさか、処女って意味?
「何?どぉしたの?」
片桐さんのお得意のこの顔。
どぉしたの?ってのも口癖で、いつもニヤっと笑いながら顔を覗いてくる。
勉強を教えてもらっている時、この顔にいつもドキドキしてたんだよね。
真剣に教えてくれてるのに、私ったら勉強どころじゃなかった。