ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「お前って酒弱そうだよな」
背の高い片桐さんは、腰をかがめて私の顔の前まで顔を持ってきて言った。
「ふん。強いもん」
と強がりを言ってみるけど、実際にはちょっとのアルコールですぐに顔が真っ赤になる。
「お前でも飲める甘いカクテルがあるから安心しろ」
頭に添えていた手を肩に乗せた。
一瞬だったけど、私の肩に手を乗せてくれた。
恋人同士みたいに・・・・・・
「ここ・・・・・・なんだけど、いい?」
「うん!!すっごいオシャレだね。こんなお店初めて」
「薄暗くて、落ち着くんだよ」
コンクリートに囲まれた店内は、静かにジャズが流れていた。
昔のうちの店を思い出す。
壁には外国の写真が貼られていて、奥にはダーツやビリヤードが置いてあった。
カウンターの一番奥に座った。