ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「前に店に来た会社の女の子いただろ?俺がフッたら会社辞めたって話したっけ?そのことで、先輩にいろいろ言われて・・・・・・つい、手が出てしまった」
「え?ケンカって、殴り合い?」
「殴り合いまではいってないけど。胸ぐら掴んじゃったんだよ。後輩の俺がそんなことしたら終わりだよな・・・・・・」
温厚な片桐さんがそこまで怒るってことは相当ひどいことを言われたんだと思う。
「どんなこと言われたの?片桐さん傷ついたんだよね・・・・・・」
「思い出すのも腹立たしいんだけどさ。最初に言われたのが、どうせ片桐が食ったんだろ?って」
「食った?食べたって何を?」
私がそう言うと、片桐さんは眉を下げて、目を丸くして私を見つめた。
どうしたんだろう。
「なー、お前ってほんといいな。なごむよ」
「え?何?何が?」
「優海を誘って正解だったな。もう元気になったよ」
片桐さんは笑いをこらえながら、私の肩をポンポンと叩いた。
何が何だかわからない私・・・・・・
「何のことだかわかんない。私、何も言ってないよ」
「ふふ。食ったんだろ?ってのは、エッチしたんだろ?って意味だよ!」
恥ずかしい!!
やっぱり私は天然バカ処女だ。
「あ、ごめんなさい。私、よくわかんなくて」
「いいよ。お前はそのままで。いつまでもそのままでいてくれよ」
肩に手を回して、私の頭に片桐さんの頭をくっつけた。
片桐さん、酔ってるのかな。
こんなことするなんて。