ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「そうだよな。俺達長い付き合いだもんな」
良かった。
告白だとは受け止めていないみたい。
「ずっと、俺も優海の成長を見てきた。優海も俺のことちゃんと見てくれてたんだな」
「・・・・・・うん。片桐さんは絵が好きだもん。絵の関係の仕事ができたら幸せだろうなって思って」
就職先が、美術とは全く関係のない電気機器の会社だと知った時、私はショックで泣いてしまった。
「絵の具の会社でもいい。絵に関係する仕事をして欲しかったの、私」
「はははっ!お前、最高!絵の具の会社かぁ。考えたこともなかったな。確かに絵に関係するな。お前、ほんっと、いいな」
頭をなでなでして、ポンポン叩く。
大きな手。
その手に抱きしめられたんだ。