ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「キスは、ちゃんと好きなヤツとするんだぞ」
急に真剣な顔付きになる。
「片桐さんに言われたくないなぁ」
「はは。そうか。そうだよな。でも、最近は・・・・・・好きなじゃない子にはそんなことしねーよ?」
「でもこの前、受付嬢と・・・・・・あの、その・・・・・・アレ・・・・・・」
ホテル行ったんだよね?
ホテルに行って何もしないわけないもん。
想像したくないけど、何度も想像してしまった。
「俺が受付嬢とエッチしたのかって?」
そうハッキリ言われると恥ずかしいんですけど。
「してねーよっ!!」
「え?そうなの?」
「するわけねーじゃん」
スネたような表情がまたかわいい。
「何もしてないの?」
「ああ、ホテルの部屋も入ってない」
めちゃめちゃ嬉しいよ。
してなかったんだぁ!!
「ま、誤解されて当然だよな。あきらにあんなこと言ったんだから」
「そうだよ~!いかにもホテル行ったっぽかったもん」
「好きになれそうだったからいいかなと思った。でも、彼氏から電話かかってきて・・・・・・この子は好きになれないって思った。だから、それで終わり」
片桐さんは、私達が思っているような人じゃないのかもしれない。
私、何年も何を見てきたんだろう。
片桐さんのこと、誤解してる。