ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「な、優海?」
片桐さんが足をついて、ブランコを止めた。
そして、私と同じタイミングで前へ。
ふたり一緒に前に後ろに揺れる。
そのことが嬉しくて・・・・・・
「何?片桐さん」
「時々こうして、俺を癒してよ」
想像もしていなかったことを言われて、嬉しいのに顔が硬直する。
やばいよぉ。
癒すだなんて。
癒されてるのは私の方なのに。
「だめ?」
!!!!
その顔、かわいすぎるよ。
上目使いに私を見たその顔に、母性本能がくすぐられる。
「もちろん、いいけど。私でいいの?」
「ま~た、そんなこと言う。俺はお前がいいって言ってんだろーが!バカ」
心地良い。
片桐さんとの会話。
私の勝手な感想だけど、私と片桐さんって同じ空気を持ってる気がする。
一緒にいて、とても楽なんだ。
ドキドキするけど、ほっとする。
「大人になるって疲れるんだよな。でも、お前と一緒にいると昔に戻れる気がする。何も考えずに絵を描いていた頃に。今は無理して大人になろうとして、疲れるよ」
わかる気がする。
就職とか将来のことを考えるのはものすごく辛かった。
学生の頃に戻りたいと私も思ったことがある。