ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あきらと最近、どう?」
「どうって?」
やっぱり私とあきら君って何かあるように見えるのかな。
「あきら、お前のこと好きなんじゃない?」
もう聞き飽きるくらいいろんな人に言われた。
片桐さん鈍感なはずなのに。
「ないと思う。わかんないけど」
「もし、好きだとしたら、アイツの愛はすっげーなって思う」
今日、あきら君と話すはずだった。
私と何を話そうと思ったんだろう。
快く片桐さんと出かけて来いと言ってくれたあきら君は本当に優しいと思う。
「優海には、俺の知らないヤツと付き合って欲しくねぇんだ」
「どうして?」
片桐さんは、小さく揺れる私のブランコの動きに合わせて、目を動かした。
「心配だから。お前が傷付けられたり、裏切られたりしたら俺絶対許せない。ちゃんとした男じゃないと認めない。って俺は親父か」
「そうだよ~!うちのお父さんみたいなこと言わないでよ」
嬉しいようなちょっぴり寂しいような。
私の相手は、絶対に自分じゃないって、そう思っている証拠だもん。
「あきらなら・・・・・・アイツなら、俺は安心できるんだけど」
せっかく幸せだったのに。
せっかく楽しい初デートだったのに。
どうして、そんな悲しいことを言うんだろう。
片桐さんのバカ。
バカバカバカ。