ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「でも、話したいよ。私は」
「何、それ?俺に何の話だよ。俺、お前のことなんか好きじゃねーし、変な誤解すんな、バカ!」
冷たいようで優しいあきら君。
あきら君のことを好きな女の子の気持ちが少しわかった。
あきら君、きっとどの女の子にも冷たくできないんだよね。
「それに、俺彼女できたし」
あきら君は、私の方を見ないで静かにそう言った。
彼女・・・・・・?
いつの間に?
私の心は激しく揺れ動いた。
ホッとしている半面、寂しさも感じていて。
なんだろう、この気持ち。
「美琴ちゃんは?」
あきら君のことが好きなバイトの女の子。
確か、協力するって約束したよね、私。
「美琴?あ~、彼女ってアイツだよ」
耳の奥からキーンと変な音が聞こえた。
できれば、私の知らない人が良かった。
美琴ちゃんに協力すると言っておきながら、こんなことを思うなんて最低、私。
「そうなんだ。美琴ちゃんか~、良かったね」
「ああ、だから、お前も片桐さんに早くヤラれてこい」
「何よ、それ!片桐さんはそんな軽い人じゃないもん」
元気なフリして会話を続けていたけど、心の中はモヤモヤしていた。
あきら君が美琴ちゃんと付き合った。
私の知らないところで何があったんだろう。
何、この気持ち・・・・・・