ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
滋さんへの未練を1時間くらい聞かされた後、私は自分の相談をしようと深呼吸をした。
「あのさ、康子・・・・・・」
話し始めようとすると、康子はテーブルに顔をくっつけてスースーと寝息を立てて眠ってしまっていた。
康子の目の周りは涙でいっぱいだった。
そばにいる時はわからないんだね。
大事だってことが。
「康子、もう閉店だよ。帰るよ」
肩を激しく揺すっても康子は起きない。
ショックで昨日の夜は眠れなかったと言ってたから相当眠かったんだね。
康子の家は、私の家からすぐだから今日はうちに泊めようかな。
「ねぇ、ねぇって!!」
いくら起こしても起きない。
滋さんに電話しちゃおうかと思ったけど、ふたりのことはふたりにしかわからない。
余計なことをしても・・・・・・と思って、やめた。