ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
その時、あの人の言葉を思い出す。
“困った時は俺に言え”
片桐さん。
面識のない康子のことなのにお願いしちゃっていいのかな。
でも、私は今
困ってる。
助けてもらえるかな?
片桐さんのケータイ番号は、お父さんしか知らなかった。
私はお父さんに連絡して片桐さんに事情を話してもらうことにした。
やっぱり片桐さんってすごいなぁ。
本当に助けてくれちゃうんだもん。
「遅くなってごめんっ」
ジャージ姿で現れた片桐さんを見て、私は涙が出そうになった。
今、気付いた。
私・・・・・・・・・・・・
片桐さんをこれ以上好きにならないように、自分自身にストップをかけていたんだ。
あのデートから、頭の中は片桐さんだらけで。
可能性ないってわかってるのに、勝手にいろんな想像しちゃって・・・・・・さ。
また手を繋ぎたいとか、抱きしめて欲しいとか。
無理だって自分に言い聞かせても、私の胸のときめきは言うことを聞かなくて。
片桐さんのことが頭から離れなかった。
思い出すと、胸が高鳴って・・・・・・
片桐さんのことがどんどん好きになっていた。
毎晩、眠る前に思い出してしまった。
片桐さんの頬の感触。
手のぬくもり。
あの甘い声・・・・・・
眠れなくなるくらいに大好きなんだ。