青空ライン

「…」



失恋したと思ったら何も言えなかった。




「誰かは言えないんですけど、振り向いてもらえないと思うから完全な片思いなんですけどね…あ！萩原先輩じゃないです。」



言いにくそうに言う二ノ宮。



しかも萩原じゃねぇのかよ…




そしたら二ノ宮の中にいる奴はいったい誰なんだよ。




「そっか…」



と俺はなんとか声を振り絞って答えた。




「はい。萩原先輩は相談にのってくれるお兄ちゃんみたいな人です。



本当にいい人ですよね！萩原先輩って！」



お兄ちゃんって。




「じゃあ俺は？」



二ノ宮はこれが告白に近いこと分かってるのかな？



もう振ってくれ。



本当はそんなの嫌なのに…なんだか逃げたくなる。




諦めるまでに時間はかかりそうだけど、頑張るから。