青空ライン



『もちろん。君はあそこのファン達みたいじゃなさそうだし。それにここは来る者拒まずだからさ。お名前は?』



『ありがとうございます!



…二ノ宮杏です。よろしくお願いします。』



あたしは2人に改めてお辞儀をした。



『じゃあ、後は俺から伝えとっから垣ノ内は練習行け』



『はい。じゃあ二ノ宮また明日な!』



そう言ってさりげなくにこっと微笑むとみんなの待つコートに戻って行った。



いきなり名前呼んでくれた!些細なことだけど嬉しい。



『遅れたが俺は顧問の宮川だ、よろしく』



コホンと咳払いをして、せっかく部長さんが作ってくれた空気をまるで壊すかのようにそう堅苦しく話す宮川先生はさっきの先輩とは違って何だか怖い…



『…よろしく…お願いします』



絶対、あたしの声今震えてるよ。



きっとビクビクしちゃってるの気づかれてるよね…



だってあたしの心を覗くような目をしてこっち見てくるんだもん。



『じゃあ、早速だけどさっき新入部員にも渡したし、入部届明日までに書いてこい。


それから部活動オリエンテーションの時に垣ノ内が話していた部則の話はちゃんと聞いていたか?』



ドクン…



心臓が大きく鼓動を鳴らした。



あたしは宮川先生からその言葉を聞いた瞬間、



もうバレてしまったかと思った。








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