青空ライン
『…はい。聞いてました。
部員と女子マネージャーの部内恋愛禁止ってことですよね?』
『そうだ。去年も一瞬だけマネージャーがいたんだが、部内恋愛が見つかって強制退部させたんだ。』
強制退部…
辞めたのはマネージャー?それとも両方?
『それって女子マネージャーだけが責任を取ったんですか?』
気になったあたしは躊躇なく聞いてしまった。
宮川先生にそう聞くと眉間を下げてさっきよりも低い声で話し出した。
『いや、部員もだ。たまたまレギュラーじゃなかったからチームには支障は出なかったが…
とにかく!部内恋愛だけは絶対に禁止。
他でなら好き勝手やってくれて構わないが。本当は恋愛自体禁止したい所だがな。
…プレーに全部出ることだし。
それからこの部活は今年度も全国大会目指しているから、入部したら休みはないと思ってくれ。
マネージャーの仕事もたくさんあるからな。』
『分かりました。』
それならマネージャーになりたいって思ってた時から覚悟してる。
マネージャーはゲームのスコア取りをしてるだけではないことくらい。
それに全国大会に出てるチームに休みがたくさんあるところなんて聞いたことないし。
早起きも
帰りが遅いのも
休みが年末年始くらいなのもちゃんと分かってるつもり。
それでもあたしはあの人のために何か役に立ちたかったから。
『あのファンたちがマネージャーやりたがらないのは休みがないのもあるけど、やっぱり部内恋愛禁止が大きな原因だしな。』
とフェンスを掴んでサッカー部の応援をしている女子達を見ながら苦笑いして話す先生。
『じゃあ、それらを考えた上でそれでもマネージャーをやりたいのなら、明日入部届を他の部員と一緒に提出してくれ。』
そう言ってあたしは先生から入部届を受け取った。