青空ライン
「そしたら置き忘れた場所にね1人の女の子がいてね、俺が近づいたら急に顔を隠したんだ。
だから俺は気になって声を掛けてみたら、あっさり引っかかってくれて蛇口を捻るために
顔を隠すのをやめたんだ。その時にその子の顔を覗いてみたら泣いててそして気づいたら
タオル取りに来たのに反対側の面使ってないから使って?って言ってる自分がいた。
それからタオルの隣に1冊の教科書があって、ちょうど裏面で名前が書いてあったから
今は泣いてるけど、絶対にこの子は笑ってる顔の方が似合うって思ったから、その子に
笑顔の方が似合ってるよって言ったんだ。そしたら帰りバスに乗って出発するの待ってたら、
笑顔で教科書と渡したタオルを持って帰る所を見てもう会う機会なんて二度とないと思ってたら
今年の春、その子を見つけたんだ。」
間違いないよ。
これ絶対あたしだよ。
ずっと覚えててくれてたんだ。
あたしの目からは涙が抑えられなくて零れ落ちていた。