青空ライン
希美は味方なんだか敵なんだか中間なんだかもうよく分かんない。
散々希美に言われてしょんぼりとしてたら…
『だってそうでしょ?
杏だっていつ優先輩のこと好きになっちゃうか分かんないんだよ?』
『でも…あたしは山下先輩のそばにいて、役に立ちたいだけで…』
『だからその気持ちが好きっていう恋愛の気持ちに絶対変わらない自信ある?』
『あるよ!あの人は雲の上の人だから、きっとこの気持ちはただの憧れだもん。
それ以上もそれ以下もないよ!』
『…そっか。じゃあ引退するまでその気持ちが変わらないようにね!
何かあったらいつでも相談して。3年間頑張ってね!』
『ありがとう、希美』
これが帰り希美と話した話。
希美はちょっとシビアな部分があったりするけど、本当は優しいことをあたしは知ってるから
希美と話すときは自分の気持ちをちゃんと素直にぶつけることができる。
今日だってあんなこと言ってたけど…
あたしのことをたくさん心配してくれて言ってくれたんだと思う。
だけどあたしが言ったこの一言が
この先どんなにあたし自身の首を絞めることになることなんて気付きもせず
ただ意地を張って希美にあんな言葉を言ってしまったんだ。
気持ちはもうすでに少しずつ芽生えていたのに。