青空ライン



あたしはホームルームが終わると、すぐに屋上に向かった。



いつものように勢いよくドアを開けてみると、やっぱり部長の姿があってあたしに気付くと笑顔で待ってくれていた。




「垣ノ内先輩、卒業おめでとうございます!」




あたしはゆっくり部長に近づいてそれから笑顔で言った。




「うわー!その呼び方初めてだな。しかも最後の最後で。いつも部長だったくせに。」



と悪戯な笑みで言う部長。




「だって一度くらい呼んでみたかったんです。みんな部長って言ってたから呼ばれた所まともに見たことなかったし…




あっ!でも、ギャラリーの人たちには呼ばれてましたね!」




あたしは急に思い出して舌をだして誤魔化した。




「そうだな。しかし、こうやって屋上で2人で話せるのも今日で最後だな。」




「そうですね…今まで本当にありがとうございました。全部部長のお陰です。」




「大袈裟な…しかも結局部長かよ。」




呆れた表情の部長。




だってこっちの方がしっくりくるんだもん。




「ていうか部長は優だろ。優のことも部長って呼んでるのか?」


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