青空ライン
「なあ優、俺さ…まだ杏のこと好きだからもらってもいい?」
部長は今にも笑いそうな顔を我慢して話している。
もう何言っちゃってるんですかー?
部長この間綺麗な彼女できたって言ってたじゃないですかー?
ってあたしが必死に心の中で叫んでも気付いてくれなくて…
「とにかく今からグランドに杏と行くからじゃあねー!」
最終的には一方的に電話を切った部長。
「部長ほとんど嘘じゃないですかー…」
もう優の顔見れないよ…
どーしよ…
「そんな泣きそうな顔しないでよ。まー優だいぶ怒ってたけどさ。ちゃんと二ノ宮が話せば分かってくれるはずだから。それからこれですっぱり二ノ宮のこと諦めるから許して。」
急に真面目な顔してずるいです。って言おうと思ったけど部長の切なそうな顔みたら言えなかった。
あたしと会ってたら忘れられないよね。
あたしって無神経…
「ごめんなさい。」
「謝るな。二ノ宮の役に立ちたかったのは俺なんだから。早く優のとこ言ってやれ!」
そう言って部長はあたしの背中を押してくれた。