青空ライン


Side:杏


今日は学校にお泊りかぁ…



学校にお泊りなんて想像もしなかったな。



あっても、部活の合宿かと思ってたのに。



明日はきっと朝練の時間まで開かない。


それより今何時…?



お母さんとお父さんもきっと心配してるよね。



こんな娘でごめんなさい。



本当にどうしてこんなことになっちゃったんだろ…




ここまで覚悟はしてなかったな。



それに全然目を付けられてるなんて知らなかった。



周りを全然見てなかった。



「うー…ぐすっ」



涙が止まらないよ。



でもどうしてこんな時



頭に浮かぶのがあのときの山下先輩の笑顔なんだろ。



きっと彼ももう学校にはいないのに。



『ぐすっ…ふぇーん』



『二ノ宮?』



ドア一枚隔てた所から優しい彼の声がした。




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