青空ライン
「…」
とうとう泣きすぎて幻聴も聞こえるようになっちゃったのかな?
確かに山下先輩のことは考えてたけど、声まで聞こえるはずがない。
「二ノ宮…いたら返事してくれ!」
ドンドンと体育倉庫を叩く音が聞こえて、それが現実だと気付いた。
「山下…先輩…?」
あたしの声は自分でも分かるくらい震えていた。
「二ノ宮?良かった。無事で…
今すぐ開けるから。」
「…ぐすっ」
開けてもらえると分かったら涙が余計に溢れてきた。
そして先輩が助けに来てくれたことがすごく嬉しかった。
あたしはドアが開いた瞬間、何も構わず先輩の胸に飛び込んだ。