青空ライン
「二ノ宮は、部活でも今日もすごく仕事してくれてるよ。だから怪我したけど全然たいしたことないし、俺もできることをしただけ。ねっ?」
「はい。ありがとうございます。」
「じゃあ、タクシー来たし学校に戻るか!」
「はい!荷物持たせてください。先輩は怪我を治すことだけ考えてください。」
「…ありがと。」
先輩はそう言って頭をポンポンとしてくれた。
結局「…ありがと」って言ったくせに先輩は、自分のバッグを肩に掛けて、あたしが持ったのは薬の袋だけだった。
「優しすぎ」と小さく先輩の後ろ姿に呟いて、あたしもバックを肩に掛けてタクシーに乗り込んだ。
そして降りる時、タクシー代もあっさり出した先輩。
後から「お金払います!」って言ったら「いいの。払ったら怒るよ?」と言われてしまってあたしは1つも何にもできなかった。