携帯恋愛。


まだメールを送って1分も経っていない。


「返信はやっ!(笑)」

独り言のように叫んで、急いで携帯を開くと・・・。

受信:???
《メールさんきゅー♪俺の本名は坂口隼人》


「坂口隼人・・・」

初めて知ったjokerの本名に少し胸がドキっとした。
名前を聞くだけでこんなに胸が弾むなんて・・・私どうかしてるのかも。

その時、携帯から聴きなれたメロディが流れた。

まだ隼人に返信をしていなかったが、電話だったのでそっちを優先した。


「もしもし?」

『あ、俺!今何してる?』


電話の主は圭祐。

「今は携帯いじってた~」

『そっか!今からあいてる?』

「へ!?」

いきなりの圭祐の誘いにビックリした私は変な声を出してしまった。
都合が悪いとか何か悪いことをしてるわけじゃない。

ただ・・・ただ今は圭祐に会いたくなかった。

隼人とのメールをひたすら楽しんでいたかった。


『なんか都合悪い?』

なかなか返事を返さない私を心配したのか圭祐が優しい声で聞いてきた。


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