片思いしてます
「DVD見た?」


「はい。
おもしろかったです」


「よかった。
それじゃ俺返してくるからここで」


航也さんはDVDを受け取り、そのままレンタルショップの方へ消えていった。



私は、ずっとその後ろ姿を見ていた。



これだけのやりとりでもすごく嬉しい。







しばらくすると航也さんが戻ってきた。



「どうしたの?」



驚いた顔をみせる。



そうだよね、先に行ってると思ったのに。



でも、ここで待ちたかった。



「すいません。
…返しに行ってもらうのが悪くて」


「あっ、ごめん気づかなくて。
前も電車で痴漢にあったし、土曜日もあんなことがあったもんな…。
一緒に行こうか」



「…」



もしかして、私が電車に乗るのが怖いって勘違いした?



怖いけど、でも一人で電車に乗れないほどじゃない。



航也さんは、先に改札に歩いていく。



私はその後ろを着いていく。




ホームで電車を待つ。



航也さんの隣で…。





















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