片思いしてます
電車は、終着駅に着く。



航也さんと改札に向かう。



「大丈夫だった?」



「はい」



「琴子ちゃん、背が低いから大変だよね。人に埋まってるよね」



航也さんの笑顔。


「慣れました。ありがとうございます」


私は、頭を下げる。


「明日からこの電車でもいい?」


「えっ?」


「俺、この電車じゃないと仕事に遅れるから。さっきの車両で」


それって毎日一緒に行くってこと?



それは無理。



毎日こんなにドキドキしてたら私の心臓がもたない。



「いいです。一人で大丈夫です」


「遠慮しなくていいよ。絶対乗ること」


「…はい」


なんか、はいって言わないといけない顔だった。



また怒られても嫌だし。



「それから、これ俺の携帯番号」


メモを渡される。



そこに携帯番号が書かれていた。


「なんかあったらいつでも連絡して。
それじゃ、俺行くわ」



航也さんは改札を出て行った。
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