片思いしてます
目の前には航也さんが座っている。



なんだかそわそわしている自分がいる。



ここで何も話しないのもおかしい。



キッチンからは母達の笑い声がする。



「朝の電車大丈夫?
最近乗ってこないから心配してて」



やっぱり聞かれた。



でも、怒ってるとかじゃないみたい。



「大丈夫です。痴漢とかにもあってないんで大丈夫です」



「そっか、それならよかった」


航也さんが笑顔をみせた。



その笑顔で私の気まずい気持ちもおさまった。





「今日は父がすごく楽しみにしてて、ちょっと酔っぱらうかもしれないけど大目にみてあげて」



「わかりました。母もすごく楽しみにしてたんで私もなんか嬉しいんです」


「よかった。
琴子ちゃんからみたら、父なんか中年のおやじだからちょっと抵抗とかあるのかなーって思って。本当の父親でも、琴子ちゃんくらいの年齢だったら反抗したりするし」



「大丈夫です。父がいないから父親に対する反抗がどういうものかわかりませんが、バイトで川北さんくらいのお客さんとも話するので、抵抗とかはないです」



航也さんは、笑顔をみせた。



私も、一緒に笑う。





「2人ともできたからこっちにおいで」



母が私達を呼んだ。
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