片思いしてます
しばらく無言が続く。



「…私は、まわりからなに言われても平気だけど、大人の世界だとこういうは許せれないんだね…大人っていやだね…」



「…」



増田さんが泣いているのがわかった。



顔は見てないけど、顔を伏せ、震えているのがわかった。






増田さん、きっと誰かに聞いてほしかったんだ。




誰でもいいから。




気持ちを話せる場所を探していたんだ。



私は、増田さんのことを何も知らない。



でも、今わかった。



弱いくせに強がり。



大人ぶってるくせに子ども。



甘える場所を探していた。



でも、唯一の彼女の居場所はなくなった。



先が見えなくなって辛いんだ。



私は、隣で話を聞くことしかできない。



彼女自身で答えを見つけないと進むことができない。



私は、何も言わず隣を歩いた。








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