片思いしてます
レストランに着き、私達は個室に案内された。




川北さんの向かいに母、母の隣に私が座った。




でも、テーブルには4人分の用意がされていた。




川北さんの家族?




そういえば川北さんの家族について聞いたことがない。




子ども、いるよね。



「もうすぐくると思うから」



川北さんはそう言った。




家族が来る前に川北さんに謝らないと。




私は、決心し、



「…あの」



私の言葉と同時くらいに扉が開けられた。




「すいません遅くなって」



「…」




心臓が飛び出るってこういうことを言うんだって思った。




私は息をするのも忘れ、その人を見ていた。




「航也、こっち」



川北さんに呼ばれる。




川北…航也…。



考えたら同じ苗字。



ちょっとは不思議に思ってもよかった。




私の片思いの人。



告白して失恋した人。




こんな偶然。







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