片思いしてます
いつものように、学校が終わりそのままバイトへ向かう。



「咲田さん、今日から新しく入ったバイトの古沢君。
とりあえず、ホールの仕事から覚えてほしいから咲田さん色々教えてあげてね」



有川さんはそう言うと、キッチンへ戻った。




「古沢英太(ふるさわ えいた)です、よろしくお願いします」



その人は、深々と頭を下げた。



きっと私より年上っぽい人。



「咲田琴子です、よろしくお願いします。
あの、敬語じゃなくていいですよ、きっと私のほうが年下だし」


「えっ、でもこれから色々教えてもらわないといけないし」



古沢さんは、はにかみながら言った。



話しやすい人。



きっと一緒に仕事して楽しいかもしれない。



なんだか、そう思った。




夜の営業が始まり、古沢さんに教えながらバイトの時間が終わった。





「お疲れ様でした、今日はありがとうございました」



「いいえ」


なんだか、年上の人にこんなに丁寧に言われると恐縮してしまう。



「咲田さんって高校生ですか?」



「はい、高2です」


「俺、大学2回生の20歳。
これから、よろしくお願いします」



「敬語はやめてください。普通に話してもらったほうが私もやりやすいから」



「はい」


なんか変な感じ。



私と古沢さんは2人で笑い合っていた。



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