片思いしてます
真っ暗な部屋に明かりがともる。



「お邪魔します」



航也さんも家にあがり、リビングに入る。



「お茶いれます」



私が、キッチンの方へ行こうとすると、



「先にここに座って」


航也さんは、厳しい顔で私に言う。


「…」


私は、ソファーに座る。



「バイトっていつもこんな遅くまでやってるの?」



静かな口調。




「今日は母がいないから最後まで…」



「高校生がこんな遅くまでバイトをするなんて感心しないな」




言われなくてもわかってる。



自分でも今は反省してる。




いつもと違う航也さん。




そうだよね、偶然知り合いの子が絡まれているのをみて、それを助けに入ってこんなところまで連れてこられて。



航也さんも、用事があってあそこにいたかもしれないのに。



私のことを怖い顔で見ている。




「…すいません」



「いつもはもっと早い時間に帰ってるの?」



「21時には帰るようにしています」


なんか親みたい。



変な感じ。






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