水晶の涙
キーンコーン
カーンコーン…
「んー、やっと終わったね!」
『うん…』
授業が終わり、
ただ今5分休憩中
ルシルちゃんは体を伸ばして、机の上にダラーンと伏せた
『………』
「…どうした?何かあったか?」
何かを考え込む様に机を見つめる私に、カイ君は横から顔を覗き込んだ
それに続いて、伏せていたルシルちゃんも顔だけを上げて、こちらを見る
「そういえば、授業中もボーッとしてたね。先生に当てられても、全っ然気づいてなかったし…」
『うん…。さっきね、何かを思い出し掛けたんだ、…けど』
何だっけ…?
大切な記憶の様な気がする
それなのに、ポッカリと穴が空いて抜け落ちたみたいに、何故か思い出せない