水晶の涙



「一人で行けよ!?」


「無理無理。女子が貯まってる中、一人で行きにくいって。」


カイ君も巻き込んで、女子の溜まり場の中、ユキナちゃんに教科書を返しに行く

こう言う事が、ここ数日間続いてるから、カイ君はルイ君が来た瞬間、逃げようとする

…今も、そんな状態


「カイ、反抗するなよ。諦めろ。」


「他の奴に着いてって貰えよ!」


「カイが一番身近なんだって。な?」


「'な?'って、意味解んねえ…」


と言いながらも、私の机を掴んでいた手を離し、もう諦めモードのカイ君は

げっそりとした表情


そんな表情を知ってか知らずか、ルイ君は満面の笑みでこちらに振り向いた






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