水晶の涙
「グルアァァアッ!」
振り上げられる鋭い爪
私もルナ先生も無意識の内に、体全体にグっと体に力が入る
「くっ…」
ルナ先生の表情は、これから襲って来るであろう痛みに対しての覚悟と、焦りが見えていた
私も思わず、
力一杯ギュッと目を瞑る
が、
〈…ミレイナ、?〉
『…ぇ……』
予想もしなかった言葉に、閉じていた目を少しずつ開けた
すると悪魔は、さっきの狂暴な姿とはまるで変わり、じっと、私を見ている
「…グルウゥ…」
振り上げられていた爪も、振り落とされる事なく、ゆっくりと引っ込められる
「…どうなってるんだ…?」
ルナ先生も私も目を見開き、お互いに身動きが取れずず、十数秒間が経った