水晶の涙



「グルウゥッ…」
〈行くぞ〉


『…ええ。』


バサリと、
悪魔の大きな翼が羽ばたかれる

悪魔と一緒に、
私の体は宙に浮かび上がった


「ま、待て!」


カイ君が、
私に向かって手を伸ばすけど、その手は届かず


宙を切る


『…少しの間、この体は私が借りるわ。』


もう、意味が解らない


『(動いて…動いてよ…っ!)』


勝手に喋る自分の口が何を言っているのか、勝手に動く自分の体が、何処に連れて行かれるのか

頭では理解しようがなくて、必死に頭で抵抗しようと頑張る


だけど、
体は一向に動いてくれない


「生徒が一人、悪魔に捕まった!直ちに救出せよ!」


「「了解。」」


いつの間に集まったのか、運動場に集合した先生達が自分達の持ち石を前に突き出し、

戦闘体制に入っていた





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