水晶の涙
『?、これは…』
「…ローズクオーツだよ。」
ピンク色の、
とても綺麗な石
…でも
『…割れてる。』
元々、直径3cm位の球体だったであろうローズクオーツは、真ん中で真っ二つに割れ、半分だけが目の前にある状態だった
…もう半分は、
何でないんだろう?
「君は、寮の裏側の草叢(クサムラ)に倒れていたんだ。そして、これを握っていた。」
『えっ…』
握ってた?
私が、
この石を?
『………』
見覚えの無い石に目を見開かせながら黙り込む私に、ルナ先生はローズクオーツを私に握らせ
そして、
何時もの笑顔で笑いかける
「ま、何はともあれ…君が無事で何よりだよ。」
『…はい。』
うんうん、と頷くルナ先生に、手の内のローズクオーツに小さく力を入れ、私も頷いた