水晶の涙
「あぁ、そうそう。君の彼氏が凄く心配してたよ。」
『…彼氏?』
楽しそうに笑うルナ先生に対して、ローズクオーツをスカートの金属部分に引っ掛けてある巾着袋に入れながら、首を傾げた
と、同時に
保健室の扉が勢い良く開いた
「失礼しまーす。」
何時もと変わらない、
元気な声で入って来たのは
「お、噂をすれば。」
『…カイ君!』
私が声を張り上げると、カイ君は目を見開いて、石みたいに固まった後、
まず一言
「…アリア…?」
『う、うん。私だよ…?』
「ッ、アリア!」
―ギュッ
『…ふぇ!?』
突然、抱きしめられ、カイ君の短い髪の毛が頬に触れる
そんな中、あたふたするしかない私を、カイ君の腕が更に力を込める