水晶の涙
廊下を全力で走る
「ぅわっ!」
「な、何!?」
途中、何人かの生徒にぶつかったりしたけど、そのまま走り続けた
何処に行こう、
とかは考えてなかった
ただただ走った
そして、行き着いたのは
『…ハ…ハァ…』
誰も居ない、中庭
中庭には幾つもベンチが設置されてて、ど真ん中には小さな噴水がある
私は一番近くのベンチの端に座り、取り合えず一息
『……』
化け物って言われたの
中学生以来…だな
『…あーぁ…。また、高校生活も…ぐちゃぐちゃになっちゃった…。』
ポツリと、とても小さな消え掛かった声で呟いた
…これじゃ、
中学生活の時と同じだ
目を瞑り、ベンチに座ったまま小さく項垂れた
と、その時だった
「んなことねぇと思うぜ?」
何処からか、誰か解らない
声がした