水晶の涙
「…あら、手にも穴が空いちゃってる」
よく見ると、しぃちゃんの手の部分にも小さな穴が空いていた。
そこからも綿が飛び出している。
「…しぃちゃん、今度はもっと布と糸を持ってこないとだねぇ」
「―――?」
自分の手から出る綿を見ながら首を傾げる姿は、とても可愛い。
が、背中や手以外にもウサ耳の先端が土で汚れ、真っ黒になっているのを発見。
「…しぃちゃん、今度お洗濯しよっか」
「……―?」
「お洗濯したらね、綺麗でサッパリでピカピカになっちゃうんだよ!」
そう言ってしぃちゃんを抱き上げて、ねっと笑いかける。
「…クルゥ…クルッ」
「―――!」
すると、僕も私もと
他の子達が黒や茶色に汚れた部分を私に見せる様にして近づいてきた。
「うん、そうだね。皆も一緒にね!」
「クルクルゥっ」
「…―――!」
ぴょんぴょんっ!と
飛んだり跳ねたりして喜ぶ仕草をする皆に、私はニッコリと微笑んだ。
…何時までも、こんな毎日が
続くといいと
昔も今も、私は願っていた。