水晶の涙




「なあ、お前の名前は?」



そう聞かれ、自分の世界に入りそうだったからハッとした。



「私は、アリア…。アリア・サラだよ」



「アリア・サラ……じゃあアリアだな!俺はカイ・オリン。よろしくな!」


「カイ君…だね。よろしくね!」



そう言いながら笑い合った。


と、その時



「こら、そこ!静かにしなさい!」


「…すみません」


「ご…ごめんなさい…」



会話の声が思っていた以上に大きかったのか、先生から注意を受けてしまった。


その為、回りからは他の生徒のクスクスという小さな笑い声が聞こえる。



「…怒られたの、俺のせいだな。ごめん」



申し訳なさそうにするカイ君に「ううん、全然!」と小さく返した。





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