水晶の涙
「どの子どの子っ」
「真ん中辺りの席に座ってて、リボンを着けてる…」
『………あっ。』
カイ君の言う子って言うのは多分、頭に黄色のリボンで髪を結んでる、大人しそうな子の事だと思う
その子は一人、誰とも交わらず、静かに本を読んでいた
『じゃあ私、あの子を誘ってくるね。』
「私も行く!」
ルシルちゃん同行で、女の子の元へと向かって行った
…までは、よかった
「あのさっ、よかったら2時間目の校内探索…私達と一緒に行かないっ?」
「………」
『……?、あの。』
「………」
…無反応
全くと言って言いほどの、無反応
声を掛けても、微動たりとも本から目線を放す様子はない