水晶の涙



『…この子は、私が守る。』

手の平に乗る悪魔を制服の内ポケットにそっと隠し、握っていた水晶をカイ君同様

前に突き出た


それと同時に水晶は

白く
キラキラと輝き始める


「…悪魔は俺達の敵だ。」

カイ君のルビーも更に
輝きを増した


…と、その時


「やぁっと着いたー!…って、ん?何やってんの?二人して。」



『「………」』

ただ今、到着したらしいルシルちゃんは、向き合って身構えるこの光景に首を傾げた


「…いつ来ても、ここの植物園は綺麗だ。ね、ハルちゃんっ」


「…植物が、一杯…」

後から入って来た二人は、私達の様子には気づかず

レン君は、
ハルちゃんを口説こうと話しかけ

ハルちゃんは、
咲き乱れる花や木々に夢中になっていた





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