水晶の涙
「ね、何してるか知らないけど…二人も見よーよっ、こんなに綺麗な花が一杯…」
ルシルちゃんが私の肩を掴もうとした
が、その手は
「そいつに近づくな!」
バチンッ!
「え…?」
『っ!…』
カイ君の鋭い声と同時に、私に触れる事なく、音を起てて
何かの力に弾かれた
「今のは…」
驚きながら弾かれた手を見るルシルちゃんに、カイ君がもう一度言った
「ソイツから離れろ!」
「…何でアリアちゃんから離れなきゃいけないの。」
カイ君の言葉に反発して、私の腕に自分の腕を絡めるルシルちゃんは
カイ君を鋭く睨んだ
「違う。アリアから離れろって行ってるんじゃない!俺はアリアに――――」
「はい、そこまで。」
言い終わる前に、カイ君の前に立ち塞がったのは
『…レン君。』
うっすらと苦笑いしている
レン君だった